欧州放浪記⑭ ~ 天空の城メテオラ ~

2023.2/11

ホテルをチェックアウトし、いよいよメテオラをめぐっていきます!駐車場で車に荷物を積み込んでエンジンをかけ、いざ出発!

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  1. メテオラとは
  2. 聖ニコラオス・アナパブサ修道院
  3. ルサヌ修道院
  4. ヴァルラアム修道院

メテオラとは

メテオラΜετέωρα)はギリシャで行くべき観光地ベスト5に入るくらい幻想的な場所です。

メテオラは巨大な岩山の頂に点在する修道院群が特徴です。以下が6つの修道院となります。

  • メガロ・メテオロン修道院
  • ヴァルラアム修道院
  • ルサヌ修道院
  • 聖ニコラオス・アナパブサ修道院
  • アギア・トリアダ修道院
  • アギオス・ステファノス修道院

これら6つの修道院が絶妙なバランスで岩山の上に建てられており、その姿はまるで空中に浮かんでいるかのよう。

言葉では表現しきれないほどの幻想的な景観が広がっています。この圧倒的な風景は、一度目にすると心に深く刻まれ、一生忘れられないと多くの旅行者が口を揃えていうそう。

この修道院群は、14世紀ごろに修道士たちが築き始めたもの。平和な祈りの場を求めて、この険しい岩の上に住み始めたと言われています。

当時は24の修道院がありましたが、今も残っているのは6つだけ。それでも、訪れるたびにその歴史と信仰の重みを感じることができます。

その美しさと神秘性は世界中で評価されており、1988年にはユネスコの世界遺産に登録されました。

ほかにも、海外版地球の歩き方・ロンリープラネット(Lonely Planet)のギリシャのガイドブックの表紙にも採用されるなど、メテオラはギリシャの象徴的な観光地として広く知られています。日の出や夕暮れ時には、岩山と修道院が幻想的な光に包まれ、写真では伝えきれない感動が味わえます。

メテオラめぐりの拠点となるのが前回お伝えしたカランバカという小さな町。アテネから鉄道で5時間ほどで行けるので、日帰りでは難しいですが、1泊旅行で行くにはぴったりの場所です!

聖ニコラオス・アナパブサ修道院

カランバカから車を走らせ、目指すは世界遺産メテオラの修道院群。

実はこのメテオラ、車がなくても歩いて巡ることができます。カランバカの町からだと、およそ1時間ほど。道中はなかなかの登り坂もあり、ちょっとしたハイキング気分も味わえるコースです。

まず最初に訪れたのはメテオラに点在する修道院のひとつ、聖ニコラオス・アナパブサ修道院。道路沿いの駐車スペースに車を停めると、すぐ目の前に修道院へと続く階段が現れます。

ここからは岩山を登るようにして、階段を一歩一歩上っていきます。振り返れば、すでに広がる絶景に心が躍りました。

聖ニコラオス・アナパブサ修道院

16世紀に建てられたこの修道院は、他の有名な大規模修道院に比べると規模は控えめ。でもそのぶん、人の少ない静かな空気が漂い、まるで時間が止まったかのような感覚に包まれます。

中でも目を引くのが、内部を彩るフレスコ画。
16世紀の画家、テオファニス・ストレリツァス(Theophanis Strelitzas)によって描かれた壁画は、色鮮やかでありながらもどこか厳かな雰囲気。キリスト教の歴史や聖書の物語が、細やかな筆致で一面に広がっており、当時の信仰の深さが伝わってきます。

特に、中央に位置する礼拝堂の天井に描かれたキリスト像は圧巻。

見上げると、穏やかでありながらも力強い眼差しでこちらを見つめるキリストの姿が現れ、自然と胸が熱くなりました。壁画に囲まれながら、ここで祈りを捧げていた修道士たちの姿を思い浮かべると、現代とは全く違う時間の流れを感じずにはいられません。

残念ながら、修道院内部は撮影禁止ですが実際に足を運んで、自分の目で見てこそ味わえる感動が、そこには確かにありました。内部の美しさは、ぜひ訪れてのお楽しみにしていただきたいなと思います!

トイレは別の建物に個室一つありましたが、トルコ式トイレで少し汚かったです。

★ Check ★

名称:聖ニコラオス・アナパブサ修道院(Ιερά Μονή Αγίου Νικολάου Αναπαυσά Μετεώρων)
住所:テッサリア地方トリカラ県カランバカ(Kalampaka 422 00)
Google評価:4.7/5 (2480レビュー)
営業時間:9:00-16:00(毎週金曜日は休館)

ルサヌ修道院

聖ニコラオス・アナパブサ修道院を訪れたあと、次に向かったのはルサヌ修道院(Roussanou Monastery)。聖ニコラオス・アナパブサ修道院からは1.6kmほど離れた場所にあります。

この修道院はメテオラの中でも比較的小さく、建物全体が岩と調和するように建てられていて、どこか自然の一部になったかのような佇まい。

修道院ではラフすぎる服装はNGです!

駐車場に車を停めて小森の中の坂と階段をあがっていくと、切り立った岩にちょこんと乗るように建つ修道院が目の前に現れます。まるで岩と一体化しているかのようなその姿は、自然の中に溶け込んでいて、どこか可愛らしい印象すら受けました。

石造りの階段を上りきると、かわいらしい中庭が迎えてくれます。季節の花が咲いていて、思わず足を止めてしまうほどでした。

ルサヌ修道院は16世紀に設立されたもので、現在は住み込みの修道女たちによって管理・運営されています。
そのためか、他の修道院と比べても、どこか柔らかく、温かな雰囲気が漂っています。

内部では、美しいフレスコ画や宗教画を鑑賞することができます。
とりわけ礼拝堂の中の装飾はきらびやかというよりは、質素でありながらも細やかで、訪れる人々に静かな感動を与えてくれるような感じでした。

修道院のテラスからは、メテオラ特有の奇岩群が眼下に広がり、遠くには他の修道院の姿も見ることができます。晴れていれば、空と岩と緑のコントラストがとても美しく、まるで絵画の中に迷い込んだかのような気分に浸れることも!

★ Check ★

名称:ルサヌ修道院(Ιερά Μονή Ρουσάνου)
住所:テッサリア地方トリカラ県カランバカ(Kalampaka 422 00)
Google評価:4.8/5 (3199レビュー)
営業時間:9:00-16:30(毎週水曜日は休館)

ヴァルラアム修道院

メテオラの空中に浮かぶ岩山の上に佇むヴァルラアム修道院

メガロ・メテオロン修道院に次ぐ規模を誇るこの修道院はまさに「天空の聖地」と呼ぶにふさわしい場所です。

14世紀半ば、修道士のヴァルラアム(Βαρλαάμ)がこの断崖絶壁の頂上に小さな礼拝堂を開いたのが始まりです。

ヴァルラアムが開いた修道院は彼の死後200年以上も放置されていましたが、1517年になってイオアニナ出身の兄弟神父テオファニスとネクタリオス・アプサラデスによって大規模に拡張。1541年から1544年にかけて完成した金色に輝くフレスコ画は、今もなお訪問者を魅了し続けています。

まず目に飛び込んできたのは入口にそびえる195段の石段。その様相はまるで天へと続く梯子のよう。ふだんあまり運動をしていなければ少し息切れしてしまうかもしれませんが、一歩一歩登るたびに広がる絶景に心を奪われ、疲れも忘れてしまいます。

修道院内部に足を踏み入れると美しいフレスコ画が目を奪います。

細い窓から差し込む光と影が織りなす神秘的な雰囲気の中、何世紀もの信仰と芸術が見事に融合した空間に深い感銘を受けました。まさかこれほど保存状態の良い宗教芸術に出会えるとは、、、!

中庭から眺める遠くの山々

何より心に残ったのは中庭のテラスから眺める景色。

眼下に広がるテッサリア平原、遠くにはペニオス川の流れまで一望できる絶景に心を奪われ、まるで時間が凍りついたかのように足を止めてしまいました。

絶壁の上にある修道院は、まるで天空の城のよう

崖の上にある修道院はまるで天空に浮かぶ城のような感じで、この高さから眺める風景は、写真では決して表現しきれない壮大さがあります!MMORPGに出てきそうなどこか懐かしさのある風景に思わず感動。

敷地内の博物館では約300点もの写本や宗教遺物が展示されていて、修道院の歴史をより深く知ることができます。

修道院の入場料は5ユーロで、肩と膝を覆う服装が必須です。もしラフな服装で来てしまったとしても、入口でスカーフやスカートを借りることができるので安心です。修道院は宗教施設なので、それを尊重する姿勢はとても大切ですね。

★ Check ★

名称:ヴァルラアム修道院(Ιερά Μονή Βαρλαάμ)
住所:テッサリア地方トリカラ県カランバカ(Kalampaka 422 00)
Google評価:4.8/5 (7381レビュー)
営業時間:9:00-16:00(毎週金曜日は休館)

ヴァルラアム修道院をひととおり見終わるとちょうど昼の時間になったので、お昼を食べることにしました。ちょうど前日の夜にテイクアウトしたピザが余っていたので、それをいただきます。

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