サマルカンドの次に行くならここ! タジキスタン・古都フジャンドで訪れたいスポット4選

「次の旅行はどこに行こう?」

そう考えたとき、中央アジアで真っ先に思い浮かぶのは、サマルカンドやブハラといった有名都市かもしれません。

青いタイルが美しいモスク、活気あふれるバザール、世界中から集まる観光客。。。どれも間違いなく、素晴らしい場所です。

でも今回は、あえてちょっと違う選択肢を提案させてください。

それが、タジキスタン第二の都市・フジャンド。(Хуҷанд / Khujand)

ガイドブックではあまり大きく扱われない、ややマイナーな街です。

けれどだからこそ、あまり観光地化されていない中央アジアの素の表情に出会える場所でもあります。

今回は、そんなフジャンドで実際に歩いて感じた「ここは外せない!」と思った場所を4つ、紹介していきます!!

☝そもそも、タジキスタンってどんな国??
広告
  1. フジャンドって、どんな街?
  2. 【フジャンド要塞】
  3. 【ケーブルカー】(カナトナヤ・ダローガ)
  4. 【パンジシャンベバザール】
  5. 【マフゾレイ・シェイハ・ムスリヒドジナ】
  6. まとめ

フジャンドって、どんな街?

フジャンドはウズベキスタン国境近くにある古都

フジャンドはタジキスタン北部、シルダリヤ川沿いにひっそりと佇む、中央アジア屈指の通好みな古都です。

この街の歴史を語るうえで欠かせないのが、紀元前4世紀、アレクサンドロス大王の東方遠征

彼はこの地を、帝国の最東端の拠点として「最果てのアレクサンドリア(Alexandria Eschate)」と名付けました。

つまりフジャンドは、これ以上東には行けなかった場所。地図の端に刻まれた、世界史の行き止まりです。

世界史の教科書では一行で済まされがちな場所ですが、実際にこの街に立つと、「本当にアレクサンドロス大王は、マケドニア(現在の北ギリシャ周辺)からここまで来ていたんだ」という実感が湧いてきます。

【フジャンド要塞】

シルダリヤ川沿いに立つフジャンド要塞。(Қалъаи Хуҷанд / Khujand Fortress)

フジャンドに来たら、歴史好きかどうかに関係なく、まず足を運びたい場所です。

遠くから見えてきた瞬間、正直に思いました。想像以上に大きい!

街の延長線上に、これだけの規模の要塞が残っている。それだけで、フジャンドがこの地域の要衝だったことが伝わってきます。

フジャンド要塞の面白さは、要塞の中に入ってからさらに増します。

内部にはソグド州立歴史博物館をはじめ、小さなお土産屋、カフェ、ホステル、そして広い裏庭まであります。

歩いていると、博物館を出てひと休みする人、カフェでお茶を飲む旅行者、裏庭でのんびり過ごす地元の人の姿が自然に視界に入ってきます。

要塞の一角には、最果てのアレクサンドリア(Alexandria Eschata)という遺跡もあります。

ここは紀元前4世紀、アレクサンドロス大王東方遠征の最前線として築いた拠点の遺跡。地中海世界から出発したマケドニアの王が砂漠と山脈を越え、ここまで来ていたのです。

その歴史を説明文ではなく「場所」として感じられるのが、この要塞の良さです。

遺跡を歩きながら、「本当に、ここまで来ていたんだな」と思う。それだけで、歴史が少し身近になります。

歴史好きにも、そうでない人にも。フジャンドに来たなら、まずはここから歩いてみてください。それだけで、この街に来た価値は十分にあります!

★ Check ★

名称:フジャンド要塞(Қалъаи Хуҷанд / Khujand Fortress)
住所:タジキスタン共和国ソグド州フジャンド市 タンブリ通り4
Tamburi St. 4, Khujand 735700 Tajikistan Tajikistan
Google評価:4.6/5 (565レビュー)
営業時間:8:00 – 16:00頃(月曜日定休)

【ケーブルカー】(カナトナヤ・ダローガ)

カナトナヤ・ダローガ(Канатная Дорога・・・ロシア語でケーブルカー)は、フジャンド要塞隣にある公園と、シルダリヤ川対岸にあるソモニ公園を結ぶケーブルカー。

市街地を一望できる眺望が魅力で、約10分かけて1kmの距離を進みます。

派手な観光演出はあまりありませんがその分、地元の人々の日常に溶け込んだフジャンドの素顔を感じられます。

眼下にはシルダリヤ川がゆったりと流れ、ドゥシャンベのような高層ビルが少ないフジャンドならではの、空の広さと見通しの良さが印象的。

街と自然が融合している感覚を、静かに味わえる場所です。

【パンジシャンベバザール】

フジャンドに来たら、まず立ち寄りたいのが
パンジシャンベバザール!(Бозори Панҷшанбе / Panjshanbe Bazaar)

「パンジシャンベ」はタジク語で木曜日という意味。昔からこの地域の人たちの生活を支えてきた市場です。

ちなみに首都ドゥシャンベは月曜日という意味。曜日が街の名前になっているのも、タジキスタンらしいですね!

このバザールは2階建て。
通路は入り組んでいて、少し歩くだけで方向感覚が怪しくなりますが、その感じがまるで迷路。探検気分でどんどん奥へ進みたくなります。

1階には野菜や果物、スパイス、ノン(中央アジアの大きなパン)などの食料品がずらり。中国に近いこともあり、中国から来た野菜や果物も多く、色とりどりの光景に思わず足が止まります。

2階に上がると雰囲気は一変。

衣服や靴、時計、アクセサリー、さらにはスマートフォンまで並び、感覚としてはごちゃっとしたアウトレットモール。ジャンルはバラバラなのに、不思議と楽しい空間です。

バザールを歩いていると「どこから来たの?」とお店の人に気さくに声をかけてくれたり、話しかけようとすると笑顔で応えてくれたり。。。とにかく人との距離が近い。

観光しているというより、地元の日常に少しだけ混ざらせてもらっている。そんな感覚が心地いいバザールです。

★ Check ★

名称:パンジシャンベバザール(Бозори Панҷшанбе / Panjshanbe Bazaar)
住所:タジキスタン共和国ソグド州フジャンド市 シャルク通り
Sharq street Panjshanbe Bazaar, Khujand 735700 Tajikistan
Google評価:4.5/5 (5942レビュー)
営業時間:7:00頃 – 20:00頃(不定休)

【マフゾレイ・シェイハ・ムスリヒドジナ】

パンジシャンベバザールの目の前、いつも人の往来が絶えないバザール広場。そのすぐ隣に、少し空気の温度が変わるような場所があります。

それがマフゾレイ・シェイハ・ムスリヒドジナ(Мавзолей Шейха Муслихиддина / Mausoleum of Sheikh Muslihiddin)という霊廟です。

ここに祀られているのは、フジャンド出身の宗教指導者・詩人として知られるシェイフ・ムスリヒディン・フジャンディ(Sheikh Muslihiddin Khujandi、1129-30~1222)。この地域で深く敬われてきた人物です。

野菜や果物を売る声が飛び交う市場のすぐ横にありながら、敷地に一歩足を踏み入れると、不思議なほど静かで落ち着いた空間が広がっています。

フジャンドではこうした生活の場と信仰の場がごく自然に隣り合って存在していて、その距離の近さがとても印象的です。

霊廟の周辺は人通りも多く、広場では鳩に餌をあげる人の姿がよく見られます。

近くで鳥の餌を売っている人もいて、鳩に餌をやりながら願い事をすると叶うという言い伝えもあるのだとか。信仰と日常が静かに溶け合っている、そんな光景です。

僕が訪れた時は霊廟の扉は閉まっていましたが、広場にいた人に声をかけると、観光客だと分かった途端に「ちょっと待って」と鍵を探しに行ってくれ、特別に中を見学させてもらえることに。

観光用に用意された体験ではなく、こうした偶然のやり取りがそのまま旅の記憶になる。そんな瞬間に出会えるのも、この街を歩く醍醐味だと感じます。

★ Check ★

名称:マフゾレイ・シェイハ・ムスリヒドジナ(Мавзолей Шейха Муслихиддина / Mausoleum of Sheikh Muslihiddin)
住所:タジキスタン共和国ソグド州フジャンド市 シャルク通り
(Sharq St., Khujand 735700 Tajikistan Tajikistan)
Google評価:4.7/5 (200レビュー)
営業時間:朝方~夕方

まとめ

フジャンドは大人気のメジャー観光地といった存在を前面に押し出す街ではないし、正直、行くまでのハードルはちょっと高め。情報も少ないし、不安になることもあるかもしれません。

でもそういう旅こそ、あとから「あの旅は良かったな」と何度も思い出すものだったりするものです。

バックパックを背負って、地図を片手に街を歩く。道に迷っても、それが冒険になる。そんな旅が好きな人には、フジャンドはきっと響くハズ!

次の旅先に、あえて”あまり知られていない場所”を選んでみる。

フジャンドはそんな選択を後悔させない街。きっとあなたの記憶に深く残るような旅となることでしょう!

サマルカンドの次に行くならここ! タジキスタン・古都フジャンドで訪れたいスポット4選」への1件のフィードバック

コメントを残す