【衝撃的事実】北方領土を豊かにしたのは日本だった!?

現在、ロシアが実効支配している千島列島の北方領土。

地図帳や道路地図・カーナビなど、日本製の地図には必ず北方領土は日本の領土として描かれています。しかし地図上では日本領でも、実効支配しているのはロシア。なので、北方領土に行くにはロシアのビザが必要となります。

現在、日本政府は北方領土への旅行を極力しないよう日本国籍保有者に対して勧告しているので、北方領土に足を運ぶ日本人は少なく、北方領土は何があるのかよくわからないヴェールに包まれた状態となっています。

厳しい寒さが半年は続く環境。風光明媚な風景が多く、大自然が広がっていることからロシア政府は観光誘致を進めていますが、そうはいっても気候的にシーズンは夏の間に限られてくるはずで観光収入はあまり見込めなさそうです。

しかし択捉島・国後島・色丹島の2014年年間予算歳入を見てみると、なんと約184億6680万円にも上ります。この額は熊本県の大津町の2022年度年間予算歳入とほぼ同じ額です。

ちなみに、熱海市の年間予算歳入は238億4360万円。(2021)こう聞くと結構大きな額ですよね。開発しにくい北方領土がなぜこんなに豊かなのか、そこにはなんと日本企業が深く関わってくるのです。

  1. 意外と豊かな北方領土
  2. ギドロストロイとは
  3. 北方領土に渡る日本人
  4. 参考資料
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意外と豊かな北方領土

極東にある一見何もない、ただの辺鄙なド田舎のようなところに思える北方領土、先ほどお伝えしたように、島の人口を考慮すると意外と経済状態は悪くありません。

その理由は、海産資源が非常に豊富な地域だからです。

択捉島には、ロシアの国内水産企業の中で最大手であるギドロストロイ(Гидрострой)があります。工場の従業員数は約3600人ほどとなりかなりの大企業です。

大企業であることと、また島内で雇用を多く生み出していることから択捉島の税収もそれに比例して多くなっているのです。

☑ Point

択捉島で作られた生産物の出荷額における、水産物の比率はなんと96%にもなります。

ギドロストロイとは

ロシア最大手の水産加工メーカー、ギドロストロイは何者なのか、、

1991年に創業された歴史の浅い会社ですが、北方領土の水産資源の恩恵を受けているので、ロシアで最大手の水産系企業となっています。

しかも水産だけではなく、建築業や観光業と幅広く手を出している会社なのです。それらの事業を連結させると従業員数はなんと7000人超え。極東最大規模の企業となります。

ギドロストロイは合計で択捉島の紗那別飛色丹島樺太島に工場を持っています。特に色丹島の穴澗(あなま)にある水産加工所は、村の人口の13.2%にあたる200人もの従業員がいます。この工場は2019年に完成したのですが、完成記念式典にはなんとプーチン大統領がリモートで参加しています。

北方領土にあって日本を牽制するという意味合いもあると思いますが、リモートとはいえ大統領がじきじきに完成記念式典に出席するくらい大きな会社だということがいえますね!

ギドロストロイの水産加工所(ギドロストロイのHPを基に作成)

ちなみに穴澗はロシア名ではクラボザヴォーツクといいますが、これは「蟹工場の町」という意味だそうです。その名の通り色丹島では蟹や鯖が豊富に獲れる場所で、ギドロストロイの水産加工所でもスケソウダラやサンマといった、水産加工品や練り製品に使われるような原材料を加工しています。

色丹島から目と鼻の先にある北海道の根室も蟹の名産地で花咲蟹が有名ですが、この蟹は色丹島でも獲れるそうです。高価な蟹なので島民が食べることはあまりないそう。

☑ Point

クラボザヴォーツクの「クラボ(Краб)」は英語の「Crab」、つまり蟹という意味です!

紗那にあるヤスニー工場のほうは、貨物船を停泊させて荷物の積み卸しを行うバースを自社で建築しており、7000トン貨物船を停泊させることができるそうです。他にもギドロストロイのグループ会社のギドロストロイツアー(Гидрострой тур)はホテルやコテージを建てたり、自社で温泉ツアーや探検を企画したりと、多岐にわたる事業展開を行っていることが推測できます。

ギドロストロイツアーが所有するゲストハウス ヤンキト(Гостевой дом Янкито)の室内。
同社HPより引用

なかなか綺麗でおしゃれな宿が多いので驚きです。

北方領土に渡る日本人

このようにギドロストロイがかなりの大企業であることがわかりました。そんなギドロストロイがここまで発展できたのはいったいどんな背景があるのでしょうか?

北方領土が資源にめぐまれた土地であることもありますが、実は日本企業の影響もあるんです。

国後島の地元紙である「国境で(На рубеже)」によると、北海道の釧路にある日本企業の株式会社ニッコーが、ギドロストロイに商社を通じて加工設備機械を販売したとあります。そして導入の結果、労働生産性が従来と比べて二倍になり、質も向上したことが報告されているとのこと。

株式会社ニッコーのロシア駐在員は、自社製品がサハリン州にある多くの水産加工所で導入されていて、苦情や不具合が起こったという報告は一度も受けたことがないと話しています。安全安心・高品質の日本製というブランド力を売りにしているようですね。

なおギドロストロイは、他にも最新設備が整った漁船をノルウェー企業から、水産加工ラインはアイスランドやドイツの企業から、レトルト加工機はアメリカの企業から購入しているそうで、質の高い製造が可能となっています。

ギドロストロイの工場にある加工機械 (同社HPより引用)

また機械販売となると営業から販売後のメンテナンスまで行う必要があります。つまり実際に北方領土現地に行って営業活動をしているわけです。日本政府は、日本国籍を有する人々の北方領土訪問は「北方領土問題に関する我が国の立場に反するもの」として止めるよう要請しています。(外務省見解

またロシアという国は、プーチン大統領という一人の強い権力を持つ人物による実質的な独裁体制が敷かれた国です。

ウクライナ戦争の時にもやっていましたが、ロシア政府はその気になれば、外資企業や国内企業を国有化することなんて簡単にできちゃいます。なので、ロシア企業に対するビジネスはある一定のリスクがあると考えられます。またその結果として、何らかの形で日本の国益を損なってしまうこともあるかもしれません。

北方領土への渡航は法的拘束力がないとはいえ、企業ぐるみで国益を損なうことを行えば、社会からの非難は必至でしょう。企業は利益を追求する組織ではありますが、かといって何でもしていいというわけではないので、高いコンプライアンス意識を持つ必要がありそうです。

また日本政府も「北方領土は日本の領土」という見解を貫きとおす限りは、北方領土にあるロシア企業との取引をはっきりと禁止にする必要性があるのではないでしょうか。

参考資料

・名越健郎、「北方領土の謎」、株式会社海竜社(2016)

・竹中明洋、「北方領土支配の象徴『ギドロストロイ』日本政府が言えないその実態、Wdge Online(2010.11/22)

・公益社団法人北方領土復帰期成同盟(北方四島交流北海道推進委員会)、「北方四島交流の軌跡~写真でたどる「ビザなし」交流の30年~」、正文舎(2023.2)

・廣瀬陽子、「ここまでロシアの実効支配が進んだ国後島・色丹島 北方領土訪問記(前編)」、Wedge Online(2018.9/5)

ギドロストロイ(ロシア語)

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