欧州放浪記② ~見た目は雑巾、味はゲロ~

ホテルでタクシーを待つこと20分、現れたのは子ども連れのお父さん。どうやら、いつも子どもを助手席に乗せて仕事をしてるらしく、この日も子どもを連れてやって来たらしい。

ホテルと交渉して半値の35ドルでガイドしてくれることに!ホテル側の対応が素晴らしかったこともありますが、やはり英語がわからなくても身振り手振りでも一生懸命伝えようとする姿勢が大切なんだなと感じました。

早速、タクシーへ案内してくれたので友人と一緒に乗車。アディスアベバの中心街へ

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  1. アディスアベバ歴史散策
  2. アフリカにある大聖堂
  3. 見た目は雑巾、味はゲロ

アディスアベバ歴史散策

お父さんの隣で爪を切ったり、スマホで動画を観てました。可愛い

車の窓から見るアディスアベバの街並みは想像以上に面白かったです。

高層ビルのすぐ横にバラックがあったり、闇市のような商店街があったりと、とにかく日本とはまったく違う異国の空気を感じました。日本ではあまり見ることのできないような旧車もたくさん走っていたので、車好きからしたらワクワクが止まりません!

日本車のシェア率は圧倒的で、殆どがトヨタやスズキ、日産が占めていました。特にランクルが多かったのは、エチオピアの道路事情からでしょうか。砂漠をすいすいと走れるランクルがエチオピアで多く走っているのは納得いきますね。

トヨタ車が殆ど

そして何よりも驚いたのが、赤道直下とはいえ、世界で4番目に標高の高いアディスアベバ(2,355m)なのに、二月はじめでも20度くらいの暑さだったこと!ジャンパーなんて着てられる気温ではなく、むしろ夏なんじゃないかと錯覚したくらいです。

エチオピアの独立を記念するアラトキロ記念碑(Arat Kilo Monument)
リヤカーを引く男性

ホテルを出て20分、タクシーで最初に向かったのは民俗学博物館です。

ここはエチオピアで一番歴史のあるアディスアベバ大学構内にある博物館で、 博物館の建物がなんとハイレ・セラシエ1世の旧宮殿なんです!入場料はタクシーのお父さんが払ってくれたので正確な値段はわかりませんが、調べてみたら100ブル(270円くらい)らしいです。入口にあった黄色い看板には、エチオピア人の大人は200ブルでエチオピア人の学生は100ブル、と書いてあったけど。。。

☑ Point

ハイレ・セラシエ1世はエチオピア帝国(1270 – 1974)最後の皇帝で、戦後日本へ一番最初に来日した国賓です!

アディスアベバ大学の校門。若い学生が多かった

中に入ると6~70代くらいの男性がガイドしてくれるとのことで、ガイドしてもらいました。エチオピアの部族の話からイタリア占領下の生活まで、色々なことを教えてくれたのですごく貴重な体験になりました!館内は写真OKですが、フラッシュはNGです!

案内してくれたガイドの方

エチオピアの先史時代はもとより、アフリカ分割時代や戦時中に於けるイタリア占領下のエチオピアについて説明が多くありました。エチオピアはリベリアと同様アフリカで唯一、西洋列強国の植民地にならなかった国で、かつ、世界で最も古い歴史を持つ国の一つです。ガイドのエチオピア人の男性もそこを強調し、自国のことを誇りに思って外国人である僕たちに説明してくれました。

館内にはエチオピアの公用語、アムハラ語で書かれてあった資料が多かったのですが、ガイドの方が英語で説明してくれたので良かったです。観光地で働いている従業員は英語が通じる方が殆どなので、あまり心配せずに楽しむことができます!

館内を回っている途中で、フランス人の女性に話しかけられました。僕がフランス語を大学で勉強していたということもあって、意気投合してInstagramを交換しました。彼女の投稿を見てみると、彼女は世界中を旅している旅人で、初めてエチオピアに来ていたところだったとのことでした。色んな人と出会えるのも旅の醍醐味、これだから旅は止められない。

アフリカにある大聖堂

民俗学博物館を出ると、外でタクシーのお父さんが待ってくれていました。僕たちがガイドと一緒に館内を回っているあいだに、息子さんと大学構内の庭を散歩していたらしいです。息子さんもお父さんと散歩できたからか、凄く嬉しそうでほっこり。民俗学博物館の次は聖三位一体大聖堂(Holy Trinity Cathedral)に連れて行ってくれました。

聖三位一体大聖堂はエチオピア正教会の大聖堂で、1942年に建立された割と新しい大聖堂です。イタリアからの独立を祝うために作られたそうです。

エチオピアはアフリカだし、イスラム教が多いんじゃないの?というイメージを持ちがちですが、実はキリスト教徒の割合の方が多いんです。キリスト教現在に至るまでキリスト教の宗派の一つであるエチオピア正教会が一番信仰されており、その歴史はなんと紀元前にまで遡ります!

紀元前4世紀頃に、レバノンから来た宣教師のフルメンティウスFrumentius)が古代エチオピア王国であるアクスム王国に布教したのが始まりとなります。

エチオピアの宗教分布(2016年)
The World Fact Bookより引用して作成

聖三位一体大聖堂は民俗学博物館から2.5kmくらいしか離れていないためすぐに着きました。早速車を降りて大聖堂へ。

駐車場から大聖堂に続く道

道を歩いていると周りの人からの視線が凄かったです。アジア人が珍しいのか、道行く人の目線がこちらに向けられていました。とはいっても、向こうだとアジア人=中国人という認識が根強くあるらしく、你好と言われることが多かったです。エチオピアにいるあいだ50回くらい中国語で話しかけられましたが、日本語でこんにちはと言われたのはたった2,3回くらいでした笑

大聖堂に入ろうとすると宣教師?の方から挨拶をされました。するとガイドのお父さんが宣教師に口づけをして何か小声で話し出しました。30秒くらい待っていると、ガイドのお父さんが「ついてきて」と言って宣教師の方と一緒に大聖堂の中へ。

どうやら僕たちが行ったときは大聖堂が工事中で本来は入れなかったらしいのですが、宣教師のご厚意で特別に入らせてくれたとのこと。ガイドのお父さんさすが!

宣教師の方が本来は見ることのできない大聖堂の裏側を案内してくれました。裏には鮮やかな色のステンドグラスが並んでおり、非常に美しかったです。

大聖堂という名前がついていますが、アディスアベバの聖三位一体大聖堂はヨーロッパによくある大聖堂ほど中は広くありません。5分・10分くらいあれば十分に回れるくらいの大きさなので、気軽に立ち寄ることができますね!

入場料はかかりませんでしたが、もしかしたらタクシー代に含まれていたのかもしれません。かかったとしても、せいぜい2、300円くらいだと思うのでたいした額ではないですが。。

本当は人類の祖先であるルーシの化石がある国立博物館に行きたかったのですが、時間がなかったので今回は諦めました。次アディスアベバへ来たときのためのお楽しみということで。

見た目は雑巾、味はゲロ

大聖堂を出て時計を見てみると16時を回ってました。アテネへのフライトの時間が夜だったので、ここでホテルに帰還。タクシーのお父さんと息子さんにお礼を伝えてホテルのロビーで別れました。

アテネ行き ET764便の出発時刻は23時ちょうど。その2時間前までには空港にいないといけません。夕食をとって入浴、準備をしたら丁度いい時間です。ちょうどレストランの夜営業が始まる時間になってたのでまずは、夕食を取ることにしました。

大量にあるミネラルウォーター。
水道水を直接飲めない外国ではミネラルウォーターは本当に貴重な存在

昼食と同じく、夕食もビュッフェ形式でした。ただ、献立はランチの時と少し違っていて、ビーフテリヤキなるものと、謎の灰色のロールケーキみたいなものがありました。

ビーフテリヤキは何となく味が想像できましたが、灰色のロールケーキのようなものだけはどんな料理なのかまったく想像できない。甘いケーキなのかなと思ったのと好奇心に駆られて一つ取ってみることに。

お腹も空いていたので早速謎のロールケーキをいただきます!

・・・

・・・・・

まずい!!!

一口食べてみると口の中に酸っぱさとなんとも言えないような味が広がる。甘いものだと思い込んで食べたこともあり、想像とのギャップにすごく驚きました笑

僕は今まで好き嫌いもまったくしたことがなくて、出された物を残したこともなかったのですが、インジェラだけは一口食べただけで残してしまいました。。この料理だけは二度と食べたくないです!この記事を書いているときですら、あの味を思い出して気分が悪くなりそうだったので、本当に凄まじいまずさです笑

友だちも一口食べましたが、まずいと言ってました笑

後で調べてみると、この料理はインジェラInjera)という料理で、テフという穀物を水でといて乳酸菌で発酵させたものらしいです。ホテルの人に聞いてみるとインジェラはエチオピアの主食で、これを毎日食べていかないとやってられない、と言う人も多いとのこと。

☑ Point

キンプリの平野紫耀もテレビでこのインジェラを食べたことがあるそうなんですが、美味しいといってたらしいです。いくらテレビの食レポだといっても、あれを美味しいと言える自信は僕にはないですね笑笑

口直しの甘いもの

口直しに甘いミニケーキを食べました。これはとても美味しかったです!!僕はかなりの甘党なので、デザートの食べ放題はとても嬉しかったですね!ただ、食べ過ぎると身体に悪いのでほどほどにしておきました。。

食べ終わった後は部屋のシャワーで一汗流しました。風呂場もなかなかゴージャスで高級感あふれる設計。考えてみれば、今回の旅で一番良いホテルだったかも。部屋の内装に関しては日本の高級ホテルと肩を並べることができるレベルです。

21時がチェックアウトの時間だったので、チェックアウトを済ませ、車止めで空港への送迎バスを待つことに。

ライトアップされたホテルの噴水

外に出ると音楽とともにライトアップされた噴水から水が噴き出していました。結構、水の高さは高くて、静岡の御殿場にある時之栖の噴水よりも高かった気がします。あれももの凄い迫力がありましたが、スカイライトホテルの噴水も同じくらい迫力がありましたね。

流れていた曲はリシャール・クレイデルマンの「Souvenirs d’enfance」。後で調べてみてわかったのですが、リシャールの作曲した曲に、イトーヨーカドーの閉店BGMである「星空のピアニスト」があることがわかってびっくりしました!世界的に有名な歌手のようです。

エチオピアもこれで最後。名残惜しさがありつつも、ヨーロッパへ向かうためにいざ空港へ!

、、最後といいつつ、日本に帰るときにまたエチオピアに寄るんですけどね。。笑

次回はギリシャのアテネ空港に到着した時の様子をお伝えします!

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